*[趣味] 城廻りの旅―畿内をゆく

姫路城歴代城主家紋瓦

本日休み。昨日の暖かさはどこへいったのか、というくらいの寒さ。寒暖の差が激しいですね。みなさまもお体ご自愛ください。


さて、実は私、日曜から二泊三日で城めぐりをやってきました。
期せずして仕事で関西にゆく予定があったもので、休日を絡めて近畿方面の百名城を攻城してきたのです。
今回は一気に6つの城に登城してきました。
車をつかわず、電車だけでの攻城であったことに鑑みれば、なかなかの効率だったのではないでしょうか。


・登城その1 篠山城

新大阪まで新幹線で向かい、特急に乗り換えて篠山口へ。
雪のため新幹線は関ヶ原のあたりで徐行運転。
雪の関ヶ原はすばらしかったのですが、こちらは特急への接続がうまくいかないのではないかとヒヤヒヤ。
なんとか10分遅れで到着してくれたので、走ってホームを移動し、ギリギリで特急に間に合いました。


篠山口からはバスで篠山城へ。
篠山城は初登城。折しも篠山は前日降雪があったようで、城跡各所に雪が残っていました。
当日も大変寒かったのですが、篠山城のすばらしい石垣の前に、そんな寒さもふっとんでしまい、デジカメで写真を撮りまくり。
さすが西国の大名を動員し、築造された城だけのことはあります。
この山間の静かな街には似合わないほどに、強固な城郭です。


本丸には復元された大書院がありました。復元御殿マニア?!の私としては大満足。
近くにある御徒士の屋敷も、当時の武士達の生活空間を彷彿とさせるものでしたよ。


初登城の篠山城を十分に満喫した私は、新大阪まで同じルートで戻り、そこから再び西へ。
下りたのは姫路駅。そう、言わずとしれた世界遺産の姫路城のある姫路です。
が、着いたのはすでに夕方。攻城は明日にまわし、初日は姫路に着いたところで終了。
姫路おでん、鳥の生レバー、大変美味でした。


・登城その2 赤穂城

姫路城に登城する前に、早起きして赤穂に向かい、赤穂城へ。
3度目の登城なので、スタンプを押してからさっと見て回ろうというくらいの気持ちで行ったのですが、私の知らない間に城趾の整備がかなり進んでおり、結局じっくり回ってきました。


高校生の頃、私がはじめて訪れた時には、大手門から左折し、本丸趾に向かうという配置になっていたことを覚えていますか、今は旧来に復し、枡形から右折し、城内に入るという形になっていました。
また城内にあった上級藩士の屋敷跡には、それとわかるよう案内板も設置されており、国の指定史跡となった赤穂城の整備への本格的な取り組みを思わせるものでした。


石垣は、全体的にそれほど高さがあるものではありませんが、郭の外周をジグザグに囲む様は、当時の軍学の潮流を表現しているようで興味深いものでした。
赤穂義士で知られる赤穂城ですが、代表的な海城としての見所もたくさんありますよ。
未だ整備中といったところですが、今後楽しみなお城の1つです。しばらくたってからまた訪れてみたいですね。


駅に戻って電車に乗り、次はいよいよ姫路城です。


・登城その3 姫路城

姫路城は4度目の登城です。今回は、どうしても姫路城に行きたい理由がありました。
というのも姫路城では、今年春から大天守の修復がはじまり、5年間はまともにその全景をみることができなくなってしまうのです。
その前に姫路城の雄姿をカメラに納めておくべく、登城しました。スタンプも押していませんでしたしね。


修復中の西の丸の櫓、腹切丸を除いて、今回は隈無くデジカメにて撮影してきました。
やっぱり美しい城です、姫路城。
海外から、特に中国、韓国からの観光客がたくさん訪れていましたが、その理由もよくわかります。


なお、修復が始まったら工事の様子も公開するとのこと。
これもまた、城造りの一端を知ることのできるまたとない機会です。
その期間にもまた登城したいですねえ。


城詰め?の黒猫に見送られながら姫路城をあとにし、次なる城、明石城へ。


・登城その4 明石城

初登城。これまで電車の車窓からみることはあっても、まともに登城したのは今回が初めてでした。
なお、百名城の記念すべき50城目でした。ようやく半分。もっとも、スタンプを押していないだけで行ったことのある城はたくさんあるんですけどね。


さてその明石城ですが、高石垣の上に三層の櫓が二基つらなったその姿は、大変印象的で美しいものでした。
本丸に登り、その二基の櫓の間に設置された見晴台から遠くを眺めると、すぐそこに海が!
巨大な明石海峡大橋も見え、この城の海上防衛上の重要さを痛感しました。
幕府が明石城天守閣を建造することを渋ったという逸話も、まんざら嘘ではないような気がします。
考えてみれば明石藩主は歴代、御譜代や御一門の家ですから、当然といえば当然なんですけどね。


ともかく明石城もいい城郭でした。赤穂城では曇りがちだった天気も姫路城で薄曇りになり、そして明石城につくころにはすっかり快晴。
海の青さと相俟って、大満足のうちに再び姫路に戻り、二日目終了。


・登城その5 大阪城

翌日は時折日の差す曇り空。
早々に姫路をあとにして、新幹線で新大阪に。目的はもちろん天下の名城、大阪城です。


大阪城は二度目の登城。
城好きを自称しておりながらお恥ずかしいことですが、大阪城を訪れるのは、実は中学校の修学旅行以来。
もちろん修学旅行ですので、まともな城巡りなどできておりませんでしたから、実質的には今回が初登城のようなものです。


北側の青屋口から城内へ侵入。江戸城もそうなのですが、幕府が天下普請によって築造した城のなんと広大で威圧感のあることか!
石1つ1つからも凄まじさを感じます。高石垣もみごと!


極楽橋を渡って本丸に入り、天守閣へ。
スタンプ捺印とともに大阪城の基本文献を入手。
それから天守閣よりその広大な城域を眺めました。


今回は城全体の撮影をする予定はありませんでした。というのも、このあとに本来の目的である仕事があったからです。
ということで、進入路である青屋口から本丸、大手口を撮影のポイントとして選択し、残る口、およびそこに建っている建造物については、次回の宿題ということにしました。
なんせ、城域を四角形に見立ててみると、一辺が電車の一駅分はあるわけですからね。
本格的にみてまわるには、一日がかりで挑まねばなりません。
今更ではありますが、「大阪城は一日にしてならず」ですな。


その後、大阪城を出て仕事をすませ、あとは帰るだけ・・・だったのですが、まだ少し余裕があったので、もう1城攻めるべく新幹線で米原へ。
そう、ひこにゃんで有名な彦根城です。


・登城その6 彦根城

彦根城はこれで5回目の登城。
ということもあり、はっきりいって今回は、これまでスタンプを押していなかったので登城したようなものです。


時間も限られていたので、ポイントをしぼって、ちょうど内部が公開中であった佐和口多聞櫓を見学。
外観の白壁とは異なって、うねるように塗られた土壁が印象的でした。
さらに、部屋を仕切る扉が防火用に鉄板でつくられており、その上に漆が塗られていたのには驚かされました。
城下町彦根の底力を感じさせます。


ひこにゃん人気もあり、何度も登城した彦根城。国宝指定されている現存4天守のうちでも、小さいながら気品のあるその造り、私も大好きです。
関ヶ原後、周囲の廃城された城より運ばれてきたさまざまな建物も彦根城の魅力。


しかし今回は、残念ながら時間がありません。
彦根城博物館を見学し、城の周辺を散策したのち、米原駅に戻りました。


米原駅より新幹線にのり、帰京。
さすがに疲れましたが、大満足の城廻り旅でした!
スタンプも6つ追加で合計52城。
さて、次はどの城を攻めるとするか・・・。




空高く そびえる姿 揺るぎなし