*[趣味・娯楽] 感動の名演!

本日休み。今日は一日自宅でゆっくり過ごす予定です。 
そういえば街中はすっかり冬模様。季節モノのクリスマスイルミネーションなどもそこかしこで見られ、すっかり年の瀬となってしまったことを感じさせます。
暗いニュースの多い昨今、新年に向け何かしら社会的に大きな方向性の変化が訪れてくれればよいのですが・・・。
まったく世界レベルでのこの負のオーラの蔓延、どうにかならないものでしょうかねぇ〜。


さて、そんな思いに打ちひしがれているわたくし、気分転換とばかりに昨日仕事終了後(1時間早退させてもらい・・・)、久々にNHK交響楽団の本拠、NHKホールに行って参りました。
いや〜本当に久しぶりです。学生時代は最低でも1ヶ月に1、2度程度は通っていましたから・・・。懐かしの場所です!


そんな私が、久々に足を運んだのは他でもありません!
私が大好きな曲の1つであるストラヴィンスキー作曲のラテン語のオペラ・オラトリオ「エディプス王」が、メインの演目として取り上げられていたからです!
多くの演奏団体が所在し、クラシックファンにとってみれば1年中がフェスティバルであるかのようなこの東京にあっても、この曲の演奏はひじょうに稀です。
ですからわたくしも、日常的にこの曲が聴きたくなったときには、以前松本市で録音された「サイトウキネン」のCDを聴くという程度で、実際に生で演奏を聴くのはこの度初体験でありました。


公演情報は以下のとおりです。

12月6日 | 土 | 開場 5:00 PM 開演 6:00 PM NHKホール
第1634回定期公演 Aプログラム 

曲目|
ストラヴィンスキー / バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」
ストラヴィンスキー / オペラ・オラトリオ「エディプス王」

指揮|シャルル・デュトワ

出演|エディプス王: ポール・グローヴズ

出演|ヨカスタ: ペトラ・ラング

出演|クレオン/伝令: ロベルト・ギェルラフ

出演|ティレシアス: デーヴィッド・ウィルソン・ジョンソン

出演|羊飼い: 大槻 孝志

出演|語り: 平 幹二朗

合唱|東京混声合唱


1曲目の「ミューズの神を率いるアポロ」は弦楽編成の曲で、全体として穩やかな曲調のものでしたが、弦楽器が時折つくる抑揚とリズミックな箇所はその中でも印象的なものでした。ひじょうに美しい旋律の曲だったと思います。
ところで本来はバレエ音楽とのことですがそのあたりは・・・。どう踊るんですかねぇ?・・・。全く見えませんでした・・・。
ただ「エディプス」の複線としてはグッド!だったかと思われます。


さて2曲目は念願の「エディプス王」!
すごくよかった〜〜〜!その一言です!
N響の演奏、デュトワの指揮、独唱者、男声合唱平幹二朗さんetc・・・、すべて満足のレベルでした!
演奏のはじまりから「ぞわっと」鳥肌モノ。男性合唱「Oedipus〜Oedipus〜」とフレーズが繰り返されているころには久々に目頭が熱くなり・・・決壊間近でした。


また疫病の蔓延したテーバイと現代社会。何となくダブってしまいました。
このプログラムが選ばれたのにそんな意味はないよなあと思いつつ、現代を厭い、悲しみの中に沈みがちな我々が、やはりテーバイの市民と同様に、神々に翻弄され、その犠牲となりながらも強い「エディプス」的な存在を常に希求している現実は、ある意味で、いつの世の為政者にとっても不幸であり、悲しい真実なのかもしれません。
まあ今の社会にこんなリーダーいませんけどね・・・。あらゆることを考えさせてくれる楽曲(テーマ)です。


細々とした話はさておき、とにかく感動の演奏で、N響と、このプログラムをくんでいただいた方々には深く感謝であります。
私にとっては、ステージの演奏者に対する注意力よりも、純粋に音とそれが創り出す圧力のようなモノを楽しめた演奏は本当に久しぶりでした。
ぜひまたこの「エディプス王」!平幹二朗さんと?「カンゴロンゴ」先生と聴きたいもんです。しつこいですがホント感動しました!

ではOedipus〜Oedipus〜〜〜。


常緑の 街路樹に咲く 黄金花