本日お仕事。
今日は梅雨のさなかの五月晴れ!イタリアは地中海を思わせるこの天気(当然行ったことなどありませんが・・・)。そんなことで通勤中のおきまり「ipod」くんでは、ルチアーノ・パヴァロッティ歌うツェザーレ・アンドレア・ビクシオの「マンマ」(DECCA『オ・ソレ・ミオ〜イタリア民謡集』に収録)が流れていました。何か胸のキュンとする良い曲なんですよ。さて、このお気に入りのイタリア曲マンマとの出会いですが、実に不思議なものがあります。今日はその辺りをお話してみたいと思います。

飲んだり、喰ったりで本ブログに度々登場する、私のじも後(地元の後輩)くまと共にすごしましたM県私立H学院高等学校での話です。
この学校はM県では有数の進学校で、ミッション系の男子校でした。そのせいか、季節の節目節目の行事で、英語の歌やら、イタリア語の歌やら歌う機会があったのです(私とくまは吹奏楽部でしたんでもっぱら伴奏。但し、私は合唱隊にも動員されていましたんで「バリバリ」ラテン語で歌ってましたよ!えっヘン!)。
さて、学生が何かといっては歌ったり踊ったり(はしてないか・・・)していた我が母校。このような目にあったのは決して我等だけではありませんでした。つまり先生達が舞台に上り、芸(?)をみせる機会なんてのもあったわけです。
そこで先生方の(オッサン)合唱隊が歌った歌が、このビクシオ作曲の「Mamma」だったわけです。当時楽器もやっており、音楽にはそれなりの造詣?があった私でしたが、この曲を聴いたのはそれが初めてです。男子校の先生、みんないいオヤジさん達なのですが、その先生等が歌ったこの「Mamma」に、実に心震えたわけです。決して歌がうまかったとは言えませんが・・・。その心は!・・・とは中々説明がつかないのですが、その後、この「Mamma」という曲の歌詞を知り、何となくその謎が解けた気がしました。

その前に、先ずは歌詞(作詞はケルビーニ)の訳文を味わってください。

 ママ、僕はとても幸せだ。
 あなたのところへ帰るのだから・・・。
 僕の歌はあなたに告げる
 それが僕にとって最もすばらしい日であると。
 どうして、遠く離れて暮らすの・・・。

 ママ、僕の歌は、あなたの方へ飛んでゆきます。
 ママ、あなたは僕といっしょ。一人じゃないよ。
 僕はどれだけあなたを愛しているか・・・。
 僕の心があなたにささやくこの愛の言葉は、
 おそらくもう流行おくれかも知れないけれど、
 ママ、けれど僕の一番美しい歌は、あなたなのです。
 あなたこそ僕のいのちです。いのちのかぎり、もう決して私は、
 あなたと離れたりはしないから・・・。

・・・まだすばらしい歌詞は続きますが、マザコンを自認する(決して悪い意味じゃありません!)イタリア男性らしい、深い愛情に溢れる様が感じられる良い歌詞だと思いませんか?
またこの曲の作曲された時代背景として、あの悲惨な「第2次大戦」があり、戦地にあるイタリア兵士たちは、ラジオから流れる、この故郷の母を思う男の率直な告白という内容を持つ歌を聴き、感動し、愛唱していたということです。

このように、「Mamma」の持つ様々な事実を知れば、私が当時、戦地にいた兵士と同様に、やはりそれぞれに愛する母を持つオジサン達の思いのこもった歌声に感動した事実も当然であったと思うわけです。
母親に対する愛情は洋の東西を問わず深いものがあるやに思われます。
母親を素直に愛せない、「うざい」、「うるさい」と人間の本質が失われてきている昨今の日本の子供達に対し、若干の危機感を持たずにはいられません。Mamma・・・マイピュー!

澄み渡る 空のかなたや おふくろさん