*[趣味・娯楽] 2つの甲胄展へ

甲胄展の看板(小田原城)

本日休み。昨日・今日と連休です。

さて昨日、わたくしは2つの展示会をハシゴして参りました。
1つは小山市立博物館で開催中の「戦国の装い〜伊澤昭二甲胄コレクションの世界〜」(栃木県小山市)、
もう1つは小田原城天守閣にて開催中の特別展「小田原城甲冑展 〜戦国から近世の甲冑〜」(神奈川県小田原市)であります。

元来、城好きであることはご存じの方も多いかと思われますが、大名ごとの軍装の特徴というものにもかなり興味を持っています。そんな私としては、この2つの甲胄展は、ぜひとも訪れたい展示会でした。


ということで、電車を乗り継ぎまずは小山市へ。市立博物館自体、初めての訪問でしたが、日本三戒壇の1つ、下野薬師寺に葺かれた瓦を生産していた乙女不動原瓦窯跡のすぐ傍にあり、静かな郊外といった風情の場所です。私は宇都宮線の間々田という駅から徒歩でうかがいました。


さて展示の方ですが、さほど広くないスペースではあったものの、著名な甲胄研究家の伊澤昭二先生のコレクションが凝縮して展示されており、入った瞬間の感想はまさに「圧巻」でした。
とくに私のお目当てであった足軽たちの具足(備具足、御貸具足)は期待通りの内容でした。加えて先生のコレクションのなかでも有名な森蘭丸所用と伝わる甲胄、肥後細川家中の高木家伝来の越中具足には正直心を奪われました。よかった〜!
さらにあのビックサイズ甲冑の原品まで拝見できるとは・・・。昼時ということもあり、それほど長居はしませんでしたが、私的には十分満足の展示会でありました(図録はなんと500円。これまた満足)。


これよりまた宇都宮線を東京方面へ。住まいを通り越して小田原へと向かいます。
けさ小山に向かった時には、小田原へ行くのは後日だと決めていたのですが・・・。
しかし、小山の見学の時間が割とあっさりいけることが確認できた段階で、すでに心は決まっていました。「小田原も行ける!」と。

実は今回の一連の見学、小田原の甲胄展へ行くということが先に決まっていました。
それは先日、私が九州へ行った際(帰省のようなもの)、久留米城跡にある有馬記念館にうかがったときのこと。
ここで私はぜひとも見ておきたいと考えていたものがありました。
久留米藩主有馬家に伝わる2領の甲胄「大熊・小熊」です。

「なんだそれは?」とおっしゃる方も多いかもしれません。
何故見たいかということについても敢えてコメントいたしませんが、その甲胄が当日参上した有馬記念館には、展示されていなかったのです(図録は販売されていたのでゲット!どうやら以前、有馬記念館のリニュアル開館記念の展示会で公開されていたとのこと。私は間違った情報のもと、展示されていない甲胄をみに行ったということです)。

ところが、旅の良いところ。親切に話しかけてくれた記念館の職員の方に、この「大熊・小熊」が小田原城で開催の甲胄展に貸し出される旨の情報をいただいたのです。
九州まで追い求めたこの2領が、まさか近所?で見られようとは・・・。


そんなこんなで訪れた小田原城。今回は決して100名城廻りではなかったのですが、写真をところどころでパシリ(イイ城ですからね)。
早々に気になる甲胄展の現場へ。
 


「すごい!」天守閣内の展示物もなかなかのものなのですが、4階に颯爽と展示された甲胄のすばらしいこと・・・。
さすがあの社団法人日本甲胄武具研究保存会主催の50周年イベントだけのことはあります。
ホントに1領、1領見る機会のない雄品で、ただただ勉強になります!
近世以降の軍団、備を考える上で軍装の統一は大変興味あるところです。
その鍵の1つに合印があるのですが、私の地元、島津家中の合印(カ)付の甲胄なんてはじめて見ました!感動です!


そしていよいよ念願の「大熊・小熊」とのご対面です!
すばらしい・・・!!(見学中「バッファローマンだ!」との声もちらほら。ん〜たしかに・・・。)
写真でしか拝見していませんでしたが、原品は物語るものの豊かさは違います。

「大熊・小熊、受け継ぐべきところはしっかり踏襲してるなあ・・・。遠くから見たシルエット、脇立の角の曲線などまるで一緒じゃないか・・・。小熊の打眉、家康の大黒頭巾の甲胄になんとなく似てるなあ・・・。大熊にくらべ小熊の方が細かな部分で凝ってる(美術品的)なあ・・・。銀象嵌、金具ほか凝ってること」などと唯々一人で必要以上に鑑賞に浸ってしまいました。
今回のこの展示会は、まさに心に残る出会いであったと思います(図録1500円。これまたお買い得!)。

大熊・小熊の写真についてはコチラをクリックすると確認できます(有馬記念館HPにリンクしています)。


さて、余韻に浸りながら帰りの電車。図録を見ながら原品を見たときの感動がよみがえる。
やっぱり人間、動いてなんぼ。見たときのような感動を、ただ読書経験だけから再現することはできません。
めんどくさがらずに動かなけりゃ・・・。日頃の私への自戒として。




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