ちょっとした贅沢、名古屋への旅

本日休み。すっかり寒くなりましたねえ。みなさまも風邪などひかれませぬよう。


さて、先週の話なのですが、実は私、名古屋に日帰りでいってまいりました。
目的地は徳川美術館
当地で開催されておりました企画展「徳川将軍の御成」をみるためです。
本来ならばせめて一泊くらいして、他のところもまわってくるのですが、実はこの企画展の存在に気がついたのが展示会終了の4日前。
普通なら「仕方ないな」で終わらせるところなのですが、この「御成」については、私も大変に興味をもっているところで、なんとしても観たい。
日程表をみたところ、なんとか1日だけなら空いている。
ということで、思い立ったが吉日、新幹線で往復してきたのです。
新幹線って、本当にすばらしいですねえ。


さて、朝早くの新幹線でさっそく名古屋にむかい、そのまま電車を乗り継いで徳川美術館へ。

室町将軍家の御成の古式にはじまり、歴代将軍の御成の様子を示した史料や絵図、そして何より当日その御殿内を飾り立てた様々な道具類。
これには正直いって圧倒されました。
個々の展示物については、ばらばらで観る機会は何度かあったように思いますが、1つの目的をもって他の道具とコラボレートされた、将軍を迎えるための御成の空間を間近にみる機会はなかなかありません。
わざわざ東京から足を運んだだけのことはある、素晴らしい展示でした。


個別には、いい茶器がそろっていたのが印象に残っています。
いくつかの茶器については、今でもその様子が思い浮かぶほどです。
何というか、その造形が「両手に持ってみたい」と思わせるようなフォルムで、ある種、完成された姿であったように思います。
ただみて美しいというより、使ってみたいと思わせることもまた、美なのだろうと感じ入りました。



その後は、せっかくなので名古屋城にいってきました。

現在名古屋城では、来年5月29日の公開にむけて、本丸御殿の復元工事が進んでおります。
今回はその工事の様子をはじめて見学することができました。

渡されたヘルメットをかぶっていくと、美しい屋根のカーブとともに、本丸御殿がその形を明らかにしようとしていました。
歩いている先から檜の香りがただよってきて、なんとも清々しい気持ち。
城好きの私としては、建築の行程を少しなりともみることができたのは、大変有意義な経験でした。

それにしてもヘルメットをかぶりながらみていると、なんとなく現場監督をしているみたいな気持ちになるものなのですね。
作業している方たちに、ついつい指示を出してしまいそうになります。
私がこんなに城が好きなのは、もしかして前世において城づくりの棟梁をしていたのかも・・・?


また今回は、西北隅櫓も偶然に公開されていました。
名古屋城には5,6回は来ていると思いますが、初の見学です。
当日は強い風が吹いていましたが、お堀から流れる風が、開け放たれた櫓の戸から入り、なかなかの風情でした。


そして下城時には、西丸正門のあたりで「はち丸くん」がお見送り。
観光客の方の記念撮影に忙しく応じていました。

まったくの強行軍ではありましたが、おかげさまでしっかりと名古屋を堪能することができました。
歴史ある街は、やはりいついってもいいものですね。
今度はまたゆっくり、訪れたいものです。


なお、この週の週末(11月11日)には日本城郭検定を受けてきました。
思わぬ事前学習の成果もあってか、2級、3級とも30分もかからずに解答を終えることが出来ました。
時間があまったので問題用紙に解答を書き写し、自宅に帰って自己採点してみたところ、まあ合格は問題なさそうです。
どんな種類の学習でも、実際にみることが習得の早道ですね。
思いもかけずそんなことを実感できた尾張への旅でした。




遠出する 旅路の時も また学び