四国城巡り東廻りコース!

本日仕事。急に季節は秋に突入しました。つい数日前は半袖じゃないと厳しいくらいの残暑だったのに、本当に季節の移り変わりは早いですね。皆様も風邪などひかれませぬよう。

さて、先日1つ大きな仕事を終えたこともあり、思い立って四国の城巡りに行って参りました。
今回は高松スタートの東廻りコースです。
まずは高松まで「サンライズ瀬戸」にて一気に移動。夜行列車は遠いところに寢ている間に連れていってくれ、しかも朝から活動できるので、最近はよく利用しています。
飛行機も速いですけど、事前にいろいろと時間がかかるし、何より高いですからね。


7時台に高松駅到着。ご当地高松城へ行くには待ち時間がありますので、先に丸亀城へと向かいました!
丸亀城は2度目の登城。百名城スタンプの旅ではなんと88城目!
四国だけに88城目とは験が良い!


天守は9時開館ですが、城址内は早い時間でも見学ができるので、山麓から山頂にかけて積み上げられた美しい石垣を中心に、たっぷりと城内を散策。
撮影ポイントも多く、頻繁にシャッターを切りました。


9時前には本丸に到着。遠くみえる瀬戸内海の島々、瀬戸大橋、そして丸亀の町並みに心を奪われているうちに開館の9時をむかえました。
先の台風で残念ながら漆喰が落ちてしまい、傷ついてしまった天守ですが、さすがは貴重な現存12天守の1つ、すでに現状回復にむけた工事が進んでいました。
未だ足場が架かっており、残念な絵ヅラのような気もしましたが、よく見れば、歌川貞秀の描いた「真柴久吉公播州姫路城郭築之図」のようにも見え、これはこれでアリだとも・・・。

移動時間の関係上、今回は丸亀市立資料館にいくことはできませんでした。
再来城を誓いながら丸亀を後にして、再び高松に戻りました。


高松城も2度目の登城。言わずと知れた御三家水戸家の連枝である松平家の居城です。
海に向かってひらけたその城は、さしずめ「瀬戸内の監視役」といった風情。

海城にありがちな、その高低差のない縄張は、一見大したことなさげに見えますが、なかなかどうして立派なもの。さすがは徳川一門の居城です。
私の愛する石垣も極めて上質なもの(庵治石)ですし、現存の櫓もよく観察いただければ、一基一基が特徴的でとても手が込んでいるものだとわかります。

と、じっくり高松城の勇姿を堪能していた私のところに、声をかけてきた人が。
地元のボランティアガイドの方でした。
この方、大変に知識豊かで、しかも熱心な案内ぶり。
やはり城の魅力を多くの来城者の方々に発信するには、このような方々の存在は不可欠だよなあと再認識したとともに、高松城の魅力を数倍感じることができた城攻めとなりました!
天守台の整備が済んだ暁には、栗林公園と込みで再登城したいと思います。
日焼けした鯛に見送られつつ、次の目的地、徳島へと向かいました。


徳島城は初登城です。
まず特徴的な石垣にびっくり。
あの青石の色合いだけでなく、割れ具合、石一つ一つの形状等、これまで見てきた石垣とはずいぶん趣がちがいます。
石材の違いで石垣の表情がここまで違ってくるとは・・・。
やはり石垣、奥が深い・・・。

そんなこんなで未知の城郭ということもあり、先ずは城内の博物館に行き徳島城の当時の様子を学習。
図録ほかを仕入れ、さて城山へと思っていた矢先、またもや地元の元気なボランティアガイドの方と遭遇。
せっかくですのでご案内を受けることにいたしました。
時間の限られた中でしたが、城中をかなり広範囲なエリアにわたって隈無く同行いただき、地元の方ならではの様々な貴重な話を聞かせていただきました。
助任川からの城山の風景も最高!
現存建造物のない徳島城ですが、お陰様で心の中には在りし日の蜂須賀氏の居城のその勇姿が、確かに見えたような気がします。
このような熱心な地元の方によって今後ともこの名城が守られていくことを祈りつつ、今宵の宿泊地、高知へと移動しました。


高知へは特急を剣山→南風と乗り継いでいったのですが、吉野川沿いに走る列車から見える風景は見事!
本数は限られていますが、徳島から高知にいかれる際には、ぜひともこの行き方をおすすめします!

さて二日目はレンタカーで移動。
夕方の飛行機で戻らなければならなかったので、今回は高知市、南国市だけしかいくことができませんでした。

まずはもちろん高知城へ。
3度目の来城ですが、とにかくみどころ、撮りどころが多数ある高知城。間違いなく私の中ではベスト10に入る名城です。

現存する天守閣・本丸御殿はもちろんのことですが、各所に残る門、櫓ほかの現存建造物が剛胆な石垣に花を添えます。
まさにすばらしい!の一言。四国城巡りコンプリートに相応しい城です。

ただ、1つだけ注文をさせてもらえるならば、ハードは言うまでもない高知城ですので、ソフトの充実をぜひとも希望します。
悪く言えばお城だけでたくさんの人が呼べる名城ですので、その分、ソフト面での工夫が足らない気がします。

そういった点では、今回の「四国城巡り」で「お城と人(語り部or空間を演出する人)」という大事な要素に気づかされました。
地元の人の熱って、必ず来城者に伝わるんですよねえ・・・熱いのも冷めていても。
龍馬を中心に一大ムーブメントを作りだした土佐の人だからこそ、その点についての充実も期待してしまいます。


じっくりと高知城を堪能したあと、続いて土佐山内家宝物資料館へ。
こちらでは「描かれた土佐藩展〜国絵図の世界〜」が開催されていましたが、大変みどころのある展示でした。
私の関心とも大いに重なるところが多く、いろいろと勉強させていただきました。


その後、ぜひともいきたかったのが山内家の菩提寺、真如寺だったのですが、残念ながら私有地のため、一般公開しておらず中に入ることはできませんでした。
しかたがないので真如寺のある筆山に向かって一礼して、資料館を後にしました。


そこから向かったのは、昨年リニューアルされたばかりの高知県立歴史民俗資料館。
最近の歴女ブームのなかで注目が高まっている長宗我部家が特集されている「長宗我部展示室」が常設展で用意されているというので楽しみにいってきたのですが、阿波中富川合戦時の長宗我部軍の本陣が再現されているなど、とてもいい展示でした。
先月にいったもりおか歴史文学館の展示でも感じましたが、これまでの形式にとらわれない、躍動感のある展示が各館でなされはじめていますね。
単純に「かっこいい」展示というのも、一来館者としていいものだなと思います。

それから車を空港営業所にかえして空港に向かい、夕方の便で東京にもどりました。
今回はホテルでの宿泊は1泊だけでしたが、ほとんど2日間をフルにつかって四国の東側をまわることができました。
本当ならもっとゆっくりまわりたい気持ちもあるのですが、こういうまわり方も、それはそれでけっこう楽しめるものですね。
また機会を見つけてじっくりと四国をまわってみたいなと思います。


瀬戸内の 海が育てし 人と城